09月 « 2015年10月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  » 11月

今日の練習曲【Angkatan その8】+悲しいお知らせ・・・

2015年 10月29日 17:03 (木)

先週は練習がなかったので、2週間ぶりのお稽古。
夕方6時前にRaditha先生の家に到着すると、先に小学生の男の子が練習していたのでしばらくその練習風景を眺める。

それからいつものように「今日は何の曲にしようか~。」と言うので、気になっていたことを尋ねてみた。

「私との練習はいつまで続けられるの?」

Raditha先生は、「来たか」という顔をしてこう答えた。

「来週バリを発つ。」

実は先週の練習がお休みになった時に、もうこれ以上練習は続けられないかもしれないので新しい先生を探すようにRaditha先生から言われていた。
そんなことを突然言われて、「はいそうですか」と受け入れられる訳がない。
これでも私なりに真剣にグンデルワヤンに向き合っている。
理由を聞いてもはっきりと答えてくれず、やきもきした2週間を過ごしていた。

こういう日がいつかくるのではないか・・・というのは、約2年前にRaditha先生のものでグンデルワヤンを習い始めた時から懸念していた。
Raditha先生は長い間バリを離れていた人。
いつかまたバリを離れる時が来るのでは・・・と。
なので、かなりのハイペースで練習を進めてきた。
以前から憧れていた先生。
少しでも多くこの先生からグンデルを学びたい!と、とにかく急いだ。
1週間に1回以上の練習は小さい子供のいる私には厳しかったので、その分家での練習を毎日欠かさないようにした。
それで、ようやくWayang Malamの演奏までこぎつけた。

「新しい曲って言っても、もうWayang Malam参加出来るからね。これ以上はないよね。」
というRaditha先生。
「何言ってるのー!!」
と思い切り反論。
今の私はまだWayang Malamにフル参加は出来ない。
Angkatanはまだまだ練習不足だし、まだ習っていないワヤンの曲だって沢山ある。
Sangsihはまだ半分以上残っているし、まだまだ習いたいカユマスの曲だって山のようにある。
これからAngkatanをどんどん習って、もっともっとワヤンの演奏に参加して、どんどん楽しくなっていく、はずだったのに・・・!!!
何て言ってもしょうがない。
私にはRaditha先生の決断を止める権利はこれっぽっちもない。

むしろこの1年10ヶ月という間に、憧れていたワヤンでの演奏までたどり着いたことが幸運だったのかもしれない。
感謝で一杯である。

「じゃあ・・・、長い曲は1日で覚えきれないかもしれないから、Angkatanを追加で習おうかな。」
「OK.」

と言ってRaditha先生が叩きだしたAngkatanは聞いたことのあるフレーズのもの。
左手はいつもの基本系。
右手は・・・難しくてなかなかついていけない。
右手に早いコテカンが入ると、いつも通りとたんに左手のリズムが崩れ、指導が入る。

私があまりにも出来ないので、「うーん、Angkatan飽きた」などと言われ、気分転換に別の曲を演奏する。
大好きなSri Kandi。
久しぶりに人と合わせるのだが、どことなく上の空。

またちらっとAngkatanの練習をしておしゃべりタイム。

「寂しくなるね~。またバリに帰ってきたら絶対連絡してね。」
などと話していると、不意に正面を向いて、

「今までここで練習してくれて本当にありがとう。」

などと言われ思わず泣きそうになり、うなずくふりして下を向き、奥歯をかみしめ涙を堪える。
泣くような場面ではないことは分かっている。
Raditha先生も、そのご家族も、いつもと変わらない態度で接してくれている。
でも、悲しいものは悲しいし、寂しくないわけがない。
そんなことは皆分かっているけれど、誰も何も言わない。

それに、もしかしたら去年の様に3週間程で帰ってきて、こうして今悲しんでいるのが笑い話になるかもしれない。
(去年と状況がやや違うのでどうなるか分からないが・・・)

私は今日で最後の練習だという気持ちでいたが、
「来週、バリを発つ前にまだ練習出来るからあともう1回。」
と言われたので、来週が取りあえず最後の練習。
何の練習をしようか・・・


P_20151011_152322_1-01.jpeg






スポンサーサイト

信じるものは救われる

2015年 10月26日 17:18 (月)

私がRaditha先生のもとでグンデルワヤンを習い始めたのが2013年の1月。
それから来る日も来る日も、ワヤンマラムの上演が行われることはなかった。
(もちろんあちこちで上演はあったんだろうと思うけど、都合がつかなかったり知らないグループの上演だったりで、腰をすえて観る機会がなかったという意味。)
ようやくその機会が巡ってきたのが、2014年の1月。
なので、約1年間待ったことになる。

昔はいたるところで頻回に上演されていたワヤンマラム。
時代の移り変わりと共に、その回数は激減。
なので、私がPemungkah Wayangを習い始めた時は、きっと当分演奏する機会には恵まれないだろうなぁ・・・とぼんやりと思っていた。
それが今回、ポンポンとタイミングよくWayang Lemah、Wayang Malamの上演の知らせが入った時には信じられなかった。
凄いタイミング!!と。

で、思い至ったのが、「もしかしてルドラクシャ効果!?」ってとこ。

前回のルドラクシャの記事はこちら↓
願いを込めて・・・

この芸能の女神様、サラスワティの力を宿したルドラクシャを着けるようになってから、確かに集中力が増した気がする。
Wayangの曲を習い始めた時も、時間がなかったというのもあるけど、いつもの2倍くらいの早さで覚えていくことが出来た。
常にルドラクシャの存在を意識していた。

これはきっとそうだ、そうに違いない!!と思った私は、早速クリスさんのお店にお礼を言いに行くことに。
長年の夢がようやく叶ったことをクリスさんに伝えると、

「それは、ルドラクシャを着けることで思考がポジティブになって、いい事を呼び寄せたからかも。でもその結果は本人の努力によるものが大きいですよ。」
と言って頂いた。

確かに私は、ルドラクシャを着けることで「きっといい事があるはず!」とずっと思い続けていて、その思考がいい方に働いて色んな事を呼び寄せたのかもしれない。
と言うことは・・・信じれば信じるほどいい事があるってことなのでは!?

正に、信じる者は救われる~

信じるのは自由。
しかも超簡単。
お金もかからない。
だったらとことん信じちゃおう~
と言うことで益々ルドラクシャの効果を信じることに。


で、この日は前々からの不眠をルドラクシャパワーで何とか助けて貰いたい!と、安眠の効果があるガネーシャ神の力を宿したルドラクシャを購入。

DSC00528_1.jpg


これを枕の下に入れて寝ると、ぐっすりと眠れるらしい。
早速その日から毎晩枕の下に入れて寝ているけど、確かに以前より眠りの質が良くなった気がする。
私はきっと暗示にかかりやすい体質なんだと思う。
でも、それがポジティブなことであるなら、今のところ何の不都合もないし、本人はそれで幸せなのだから問題なし。

さらに、買った時にお店で「交通安全のルドラクシャは何ですか?」とご主人のデディさんに聞いたところ、
「ムキ8(このガネーシャのルドラクシャ)でいいんじゃなーい?」
という大変軽~い感じで返事が返ってきたので、バイクに乗るときはバイクの鍵に、寝る時は枕の下に、ともう肌身離せない感じになっている。


そして更に今回は、こちらの2種類のルドラクシャも購入。

DSC00529_1.jpg


左は娘用。
娘はブレスレットやネックレスを嫌がってずっと着けていてくれないので、キーホルダーとして鞄につけることに。

右は犬用(笑)。
ちびっ子だけど、大切な家族なので。
いつまでも元気でいて欲しいと願いを込めて。


これで我が家は安泰~




今週の家練習

2015年 10月23日 17:25 (金)

今週は、Raditha先生の都合がつかないとのことなので、自宅にて一人練習。
Wayang Malamでの演奏も終わり、一区切りついたのでブレイクタイム的な。

まずはPemungkah Wayang、これは絶対に忘れないように1日1回必ず叩くことに決めている。まだコテカンのところは上手く左手のリズムが取れないし、カヨナン部分も左手がすべってしまうので継続した練習が必要。

後は、好きな曲と久しく叩いていない曲を重点的に叩いてみる。

好きな曲はSri KandiとRebong、Sita Manggali。
Sri KandiとSita Manggaliは女性の名前の曲。
Rebong(Kayumas style)は男女の愛の曲。
どれも華やかな曲。
さらにAkatonboとAntagata dokosa。
日本の「赤とんぼ」と「あんたがたどこさ」のRaditha先生オリジナルのアレンジ曲。
どちらも大好きな曲なのでよく叩くのだが、Ankataga dokosaはいまだスムーズに叩けないくらい難しい。(もう習ってから半年以上は経っているのに・・・)

お次は久しく叩いていない曲。

Sangsih全般・・・

今までに習った曲は、Wayangの細かい曲(Angkatan等)を抜かすと全部で40曲。
うち、Sangsihと呼ばれる裏の曲を習い終わっているのは19曲。
(表の曲はPolosと呼ばれている。)
約半分。
その殆どがまっっったく自信がない・・・

私がRaditha先生や甥っ子君、姪っ子ちゃんとウパチャラ(儀式)などで演奏する時は必ずと言っていいほどPolosを叩くので、Sangisihを叩く機会は滅多にない。
時々小学生のD君の練習の時に、簡単な曲のSangsihを合わせるくらい。
当たり前だけど、叩かなければどんどん忘れていってしまう。
とにかく今週はSaigsih思い出し週間とすることにした。

Sangsih苦手だからあまり気分が乗らないが、まぁSangsihあってのPolos、PolosあってのSangsihなので、ゆっくりだけど一歩ずつ前に進もう。

最後の〆の曲は毎回同じ、Sudamala。
この曲を叩くと心が落ち着く。




P_20151011_133200_1-01.jpeg






MyカヨナンGet♪

2015年 10月20日 16:49 (火)

「グンデル・ワヤンを習っているものなら、やっぱりカヨナン(宇宙樹)は欲しいよね~。」
と以前からKさんと話していた。

カヨナンはワヤン上演の要。
主な製作地はスカワティ。
Kさんはスカワティでグンデルを習っているので色々なつてがあり、
「この前ダランのナルタさんのところで見せてもらったカヨナンはよかったよー。お値段はちょっと張るけど。」
なんて言っていた。

どうしようかな~、Kさんにナルタ先生を紹介して貰って私もワヤン見に行こうかな~、それともまたクトゥット先生のところで買おうかな~、何て迷っていた。

で、ある時たまたま用事があってウブドに行った時に、そういえばワヤンが売ってたお土産屋さんがあったよな~、あそこにカヨナンもあるのかな?と思い立ってちらっとお店をのぞいてみるとカヨナンも置いてあった。
私が知っているのはDewisita通りにある骨董品屋さんと、Hanoman通りにあるお土産屋さん。
Dewisita通りの骨董品屋さんは、本当に古いワヤンを取り扱っていてお値段もそこそこ張る。
一方、今回立ち寄ったHanoman通りのお土産屋さんは、アンティークぽく施したワヤンを売っていて、以前値段を聞いたときはスカワティで売られているものと変わりがなかった。だったらスカワティで買った方がいいか、とその時はスカワティで買ったんだけど、カヨナンはどうだろ?
自分の中で、この値段以下だったら買おうかなぁ・・・と予め決めておいて、お土産屋さんにカヨナンの値段を聞いてみると、決めていた値段ジャスト。(スカワティで買うよりかなり安い。)

おぉ、これはちょっと見てみよう。

お店のご主人に色々聞いてみると、ワヤンはスカワティで作られており、お土産用に安い値段で作ってくれるところがあるんだとか。と言う割りには、牛皮が使用されているし、作りはしっかりしている。もちろんダランさんが使用するワヤンという訳ではないのでカヨナンの彫りも精巧という訳ではない。でも私はダランではないので、飾る為のワヤンを探しており、そもそもダランさんの手に渡れば魂が吹き込まれるであろう素晴らしいカヨナンを飾るのはちょっと忍びなかったので、飾るにしてはこのカヨナンは十分過ぎるくらい。

お店にあったカヨナンは4つ。
その4つを並べ比べてみて、しばし考える。
お店のご主人としばらく雑談をして、私がグンデルワヤンを習っていて、スカワティでもワヤンを見たことを伝えると、「お?」と少し顔つきが変わり色々教えてくれた。
「確かにスカワティにはダラン用に作られた素晴らしいカヨナンが山ほどある。値段もピンきりで、このカヨナンの2~3倍はするものもざらにある。」
「でも私はお土産屋なので、そういったカヨナンを仕入れる勇気はない。」
うん、同意。
「でもこのカヨナンも材質はしっかりしている。最近はヤギの皮を使っているワヤンもあるけれど、あれはよくない。これはちゃんと牛皮を使っている。」
「欧米人は古臭いの好むからわざと埃だらけにしているけど、このカヨナンも新品だから拭けば綺麗だよ。」
と言って1つのカヨナンにブラシを当ててくれた。
現れたのは綺麗な金色のカヨナン。
わざとアンティークっぽい色使いをしてあるけど、原色のものより私の好み。
このカヨナンを買うことに決めた。

DSC00518_2-01.jpg

こちらが我が家にやってきたカヨナン。
もちろんワヤン上演に使用できるようなものではないけど、飾る分には十分。
カヨナンを買ったらやっぱりアチンティアも欲しいよな~、と思いお土産やさんで探してみたけどなかったので、アチンティアはいつかスカワティに買いに行こう。

カヨナンとアチンティアがそろったら、やっぱり聖水セットとしてシワ神とトゥアレンも欲しいよな~。
私の好きな女戦士スリカンディのワヤンも欲しいし、芸能の女神様サラスワティだって欲しい。

と、妄想が止まらなくなってしまったが、今の私にはさらにワヤンを趣味で買うのは贅沢過ぎるので、またいずれか。

それにしてもカヨナンが我が家にあるというだけで、嬉しくてしょうがない。
ちょっとした拍子にカヨナンをチラッとみてはニヤニヤしていたりする。(だいぶキモイですね。)
ふふふ、大切にしよう。




初めてのWayang malam演奏 

2015年 10月17日 12:58 (土)

※記憶が新しいうちに、先日のWayang malamでの初演奏のことを書いておきたいと思います。


*****



この日の集合は夕方6時。
前回のWayang Lemahの演奏前にかなり大変な思いをしているので、何が起きても驚かないという気持ちでいたので、割と余裕をもって準備をすることが出来た。
(この前みたいに大変なことは起きなかったけど・・・)

ワヤンの上演は必ず夜遅くなるので、もちろん夫はかなり心配するのだけれど、私のワヤンに対する情熱を知っている夫は、これを禁止したら私が暴動を起こすであろうと簡単に予想がついているみたいで、「今後、帰宅が夜の22時を超える時は必ず車で行くこと」を条件として送り出してくれた。(本当に理解ある夫で感謝で一杯。ありがとう

なのでこの日は車でRaditha先生の家へ向かう。
夕方5時半くらいに到着して、まだ皆集まっていなかったので、一人Kantil(小さい方のグンデル)で練習する。
(私は自宅にKantilを持っていないので、少しでも慣れておきたかった。)

6時頃になってみんなぞくぞくと集まりだして、ダランさん、クテンコン(ダラン助手)さん2名、グンデル奏者5名の計8名がそろった。
グンデルは会場に用意してあるのかと思っていたら、Raditha先生のグンデル(最近作ったおニュー)を持って行くらしく、軽トラックにワヤンの木箱(結構大きい)、グンデル4台を乗せたら残りのスペースはほんのちょっと。
ここに8人乗る!?の・・・??
(トラックにガムランを乗せて、その隙間に奏者が座るのはバリではよく見かける風景)

ちょっと予想外で、準備も何もしてこなかった私。
(帰りは夜風に当たるだろうから、ジャケットが必要よね。)
8人だから、トラックの他にもてっきり車があると思っていた。
Raditha先生も伝えるのを忘れてたみたいで、急遽うちの車にグンデル奏者5人が乗ってペジェンへ向かうことに。
よかった、車で来てて。
ペジェンまではデンパサールから1時間くらいかかるし。

運転は私。
と言うことは、道中万が一何かあったらワヤンが始まらないかと思ったら、演奏するのより緊張してしまった・・・
ペジェンのどこが会場なのか説明を受けていなかったので、途中かなりさまよいながら会場に到着したのは7時半頃。
無事に着いてよかった~

今回のダランさんはPak Agung。(何だか色々な呼び名を教えて貰ったけど、これで統一。)
以前Dinas Kebudayaan(文化センター)であったWayang Ramayana合同練習の時に、見学者の私にも聖水をかけてくれたおじさまだった。
その他のメンバーも全員その時の参加者だったので、今回もてっきりDinas Kebudayaanに依頼が入っての上演なのかと思っていたら、どうやらダランさんの遠い親戚のムラジャン(家寺)のオダラン(寺院創設祭)で声がかかったみたい。


DSC00473.jpg
このスタイルの門はギャーニャールではよくあるタイプ

DSC00470.jpg
個人宅なのでUpしていいか迷ったけど、あまりにも素敵なお宅だったので

DSC00471.jpg
もの凄く広くて素敵なお宅


まずは家寺に隣接する主催者宅↑へと伺う。
今では殆ど行われることはなくなったらしいが、昔はワヤンの上演の前は主催者のお宅に行き、ダランさんはご飯を食べてから寺などの会場に行きワヤンの上演をしたのだとか。
これにちなんだ曲がカユマススタイルの「Dalang Ngidih Nasi」。
Dalang=影絵使い Ngidih=食べる Nasi=ご飯
というそのままの曲名。
コーヒーやお茶、お菓子が振舞われた後にご飯が出てきたので、「おぉ、これが噂のDalang Ngidih Nasiか~」と一人でちょっと嬉しくなっていた。
そしてこれからワヤンの上演だというのに、大量のビールが運ばれてきた。
えっ!?上演前に飲んじゃうの!?
という私の動揺をよそに、次々とビールを開ける男性陣。
「さぁ、飲んで、飲んで!!」
と声がかかるが、私はお酒を飲んでのワヤン演奏なんてとてもじゃないけど自信がなかったので、コップに1口分だけもらって口をつける程度にしておいた。
(この後、ワヤン上演の舞台裏にも大量のビールが用意してあり、恐らくこの地域の(このダランさんの?)スタイルなのかな、と納得することにした。)
こんなの初めて見たよー。
「神聖なワヤン上演の前にお酒なんて・・・」っていうのは日本人的発想なのかもしれない。


で、ご飯を食べ終わっても一向にワヤンが始まる様子はなく、スクリーンもこれからバナナの幹を切って用意されるとのことで、ようやく準備が整ったのは9時過ぎ。


DSC00476.jpg
こちら会場準備中。周りを白いビニールで囲ってある。

DSC00465.jpg
こちら舞台裏。舞台前の広場では、ワヤンが始まるまで村のガムラン隊が演奏中。

DSC00482.jpg
上演前のお祈り


ダランさんも舞台入りしたので、奏者もそれぞれのグンデルにつく。

DSC00484.jpg


ここでRaditha先生が、「上演前に何か1曲演奏しとく?」などと、突然言い出す。
そういうのにいちいち動揺してしまう私なのだが、お構いなしで「じゃ、Katak Ngonkekねー。」と軽い。
案の定何ヶ所も間違えてしまった・・・

でもこの演奏で肩の力が抜けて、そのままSulendroへといい感じで突入。
スピードについていけるか心配していたSulendroだけど、前日の練習の時のスピード重視ではなく、1音1音丁寧に叩く感じに変更していた。
一緒に演奏していた私が言うのもなんだけど、もの凄く美しくてぞくぞくしてしまった。
リーダーのMさんの手元に注意しながら、合わせていく。
(真っ暗で手元が見えないのを心配していたが、今まで観たワヤンマラムの中で、最も舞台裏が明るかった。恐らく、舞台の周りを白いビニールで囲ってあり舞台裏がオープンになっていなかった為、光が拡散しなかったからかな?)

1、2ヶ所間違えたけど、まぁ許容範囲。(周りには気付かれていないはず。)
オープニングのSulendroが何とか上手くいったので、続くPemungkahはだいぶ力みすぎず叩くことが出来た気がする。
でもやっぱり私はカヨナンの動きやチュパラの音に対する反応が鈍く、曲の移行部はリーダーの手の動きを見ながらなので、一歩出だしが遅れてしまう。
続くPengrumrum、Tulang Lindung、辺りで少しずつダランさんの動きにまで注意することが出来るようになってきた。
更にAlas Arum、Punyacah Parwaと続き、Pengalangakaraまで叩いて、甥っ子君にバトンタッチ。
あー、何とか無事に終わったー!!

その後は物語の後半、Angkatanの選曲に注意しながらワヤン鑑賞。
Angkatanの部分から、リーダーがRaditha先生に代わった。
その演奏を見て、やっぱり前回、私とWaynang Lemahの演奏をした時はかなり手を抜いて合わせてくれてたんだと実感。
場面に合わせて目まぐるしく変わっていくAngkatanの曲。
Raditha先生は手元を見ることなく、ずっとダランさんの動きを見ながらもの凄いスピードで色々なAngkatanを繰り広げていく。
その様子を見ながら、次々と合わせていく他のメンバー。

DSC00496.jpg

途中、メンバーが2度ほど「ちょっとトイレ」と言って、その都度私が交代要員として入ったのだが、とてもじゃないけどついていけない。
とりあえず左手を合わせ、右手のコテカンはコテが間違っていようがお構いなしに適当に叩いてみた。(Kantilanの場合、それでも何とか様になるのは前日の練習の時に分かったので。)

何度も何度も場面が変わり、その都度様々なAngkatanの曲が繰り返され、途中で男女のロマンチックタイムのRebongが演奏される。
残念ながら、私にはそのRebongに入るタイミングがまっっったく分からなかった・・・


そして最後はPemutupの曲が演奏されてワヤンは終了。
ダランさんが聖水を作り始める。

DSC00517.jpg


こうして夢の様な2時間は幕を閉じた。

あぁ、楽しかったー!!!
ここまでたどり着くのに、約2年10ヶ月。
(Raditha先生のもとでグンデルを習い始めて1年10ヶ月)
長かったけど、ワヤンマラムでの演奏という夢がようやく叶った。

次の目標は、Wayang Malamフル参加!!
いつの日か絶対に。



*****




この日の様子をちょっとご紹介。




激しい戦いの場面。グンデルの演奏も激しく。


こちらも戦いの場面。パスパティと呼ばれる聖なる矢で悪者を成敗する。


こちらは、男女のロマンチックタイムRebong。曲に入るタイミングが全く分からなかった・・・




ワヤンマラム前日の合同練習

2015年 10月15日 17:13 (木)

いよいよワヤンマラムの演奏前日となったので、この日はプナブ(演奏者)が集まって合同練習。
メンバーは、Raditha先生、お兄さん、甥っ子君、私、がもう一人の演奏者であるMさんのお宅へ集合。
Mさんはどなたかなーと思っていたら、以前にDinas Kebudayaanであったワヤン・ラマヤナの練習の時にクンダン(両面太鼓)を叩いていた方だった。

挨拶もそこそこに、いきなりKejojorを叩き始めるMさん。
これはグンデル弾きにはよくあること。
まずはグンデルで語り合おうって感じ?
(Sarga先生と初めてお会いした時も、いきなりSekar Ginotanだった。)
早すぎてついていけなかった・・・

以前に1度、子供達のグンデル教室でも指導しているのを見たことあるけど、こうして間近でMさんの演奏を見るのは初めて。
凄く軽いタッチで、さすが~。

今回の演奏は、Pemade・PolosがMさん(リーダー)、Pemade・SangsihがRaditha先生、Kantil・Polosが甥っ子君(と私)、Kantil・Sangsihがお兄さん。
オープニング曲はSulendroという噂があったけど、本当にSulendroだった。
しかもめちゃめちゃ難しいKebyar(前奏)から。
(ちゃんと毎日練習しておいてよかったー。)

「ジャーーーーン!!!」とSulendroのKebyarが始まる。

早い・・・!!

早くてそのスピードについていくのがやっと。
音の強弱などには注意してられない。
しかもKantilで叩くのは久しぶりのことなので、Pemadeの感覚で叩いていると一回り小さいKantilだと音が時々ずれてしまう。
Pemadeよりは音の大きくないKantilだから何とかごまかしながらついていけたけど、ただ単についていけただけ。
取りあえず、今の私にはこれが精一杯。

続いてPemungkah。
Mさんと合わせるのは初めてのことだけど、若干音の装飾が違っても基本は一緒なので、安心して合わせられる。
しかも、音の強弱もはっきりしていてAngsel(音の止めどころ)が分かりやすい。
よかった、これなら何とか暗闇の中でも音を頼りに合わせられそう。
というのも、ワヤンの上演はスクリーンを椰子油が照らすだけなので、スクリーン後ろの奏者の席というのは思っているよりも暗い。
前回のお試し演奏の時は自分の手元がかろうじて見えるくらいだったので、隣の人の手元を見ながらの演奏は結構難しい。
なので、音だけが頼りになってくる。
これは心しておかなければならない事。

その後、Pengrumrum、Tulang Lindung、Alas Arum、Penyacah Parwa、Pengalangakaraと練習し、甥っ子君にバトンタッチ。

ここからはワヤン演奏で一番難しい、物語の内容に合わせてAngkatan(道行の曲)を合わせていく場面。
私が今現時点でならっているAngkatanの曲は7曲なんだけど、今回合わせていたのは10曲を超えていた。
まだまだ習わなければならないAngkatanは多い。
また、Delem(物語を翻訳する従者)のテーマソングはKebyar付き。
以前1回だけ習ったが、前回のワヤンルマでの演奏では使わない方向だったので、録画もしておらず忘れてしまっていた。
喜びの場面でのRebongは私が習った方ではないカユマススタイルのもう1曲の方。
ワヤン最後の〆であるPenutupも前回習ったものと違っていた。

今後、ワヤン演奏においてまだ習わなければならない曲が明確に。
まだまだ先は長いなぁ。

練習後は、服装どうする?何色?と男性人が話し合い。
おそらくオダラン(寺院創設祭り)なので白で統一することが決まった。
こうして前もって決めてもらえるとありがたい。


*****


では、仕事も終わったので、これから準備してワヤン演奏頑張ってきまーす



P_20151011_132923_1-01.jpeg




今日の練習曲【Tulang Lindung Kembang Waruバージョン】

2015年 10月13日 11:47 (火)

という訳で、Wayang Malamへの初参加がトントン拍子に決まったので早速練習。
前回のPemungkah Kembang Waruバージョンの練習はこのワヤンを見越してのことだったのでした。
(あの時点ではまだ参加がはっきりとしていなかったので・・・)
今回のワヤンは、ペジェン村からの依頼。
(ペジェンの月で有名なプナタランサシ寺院がある村ですね。)
依頼はDinas Kebudayaan(文化センター)に入り、それがRaditha先生のお兄さん(長兄)に伝わってきたもの。
もちろんRaditha先生は参加だけど、私の今の状態での参加がOKかどうかはまずお兄さんに聞いてみてから。
快くOKを頂けて(ありがとうございます~)、じゃあワヤンに向けた練習しなきゃね、と久しぶりのワヤンモードの練習。
と言ってもこの時点で残り4日しかなかったので、取りあえず一通り通してみる。

まずはオープニングの曲。
私は通常のSekar Gendot Kayumasだと踏んでいたのだけど、どうやら参加者の1人からSulendloがいいと希望があったらしい。
ス、スレンドロ・・・
といえば、初めてのWayang Malam鑑賞で1曲だけお試しに演奏させて貰った時の苦い思い出が蘇る・・・

その時の記事↓
初めてのWayang Malam鑑賞

あれは確か今年の1月のことだったので、あれから10ヶ月。
多少は成長したかな?
久しぶりにKebyar(前奏)からSulendroを合わせてみる。
この曲はスカワティでは定番のオープニング曲。
めちゃくちゃ難しい前奏に続き、これまた難しいメインの曲となり、最後の〆もめちゃくちゃ難しいというとにかく難しい曲。
これがバッチリ決まったらカッコいいんだけど、久しぶりに人と合わせるので、Kebyarなんかかなり忘れてた。
本当にこの曲をオープニングに持ってくるのかはまだはっきり分からないけど、そうなったときの為に家で特訓しなければ。

続くはカユマスのPemungkah。
これは毎日練習しているのだけど、やっぱりコテカン部分の左手のメロディーが崩れる。
これも家で特訓が必要。
Pemungkah終了後の繋ぎはKembang Waruバージョン。
前回習ってから必死で練習したので何とかついていけた。
お次はPengrumrumで、その次はTulang Lindung・・・
とここで、「Tulang Lindung、Kembang Waruバージョンになるかも。」とRaditha先生。
そういえば、以前にTulang Lindungばかりを練習した時にKembang Waruのバージョンもあると言われていたけど、その時はまた今度と思って習わなかったんだった。

聞くと、Kembang WaruバージョンのTulang Lindungは、最初のフレーズはKayumasスタイルと同じで途中からちょっと変化するらしい。
Kayumasスタイルがワヤンでは第2章までを使うのに対して、Kembang Waruスタイルは第1章のみ。
それだったら何とかなるかと思い、その場で教えて貰う。
ちょっとややこしいが、家で特訓すれば大丈夫だろう。
(といっても残り4日で特訓することが多すぎるのだが。)


続くはAalas Arum、Penyacah Parwa、Pengalangakara。
ここは前回のワヤン演奏でこれでもかという位練習したので何とかクリアー。


よし、この4日間はお祈りと練習をひたすら頑張ろう。




P_20151011_121854_1-01.jpeg



忙しすぎた1日 ~後半・スカワティでの結婚式編~

2015年 10月12日 17:03 (月)

※前々回の、忙しすぎた1日 ~前半・タバナンでのポトンギギ演奏編~の続きです。




タバナンからデンパサールに帰ってきたのが11時過ぎ。
まずはRaditha先生のお家でちょっとだけ休憩をさせてもらって、結婚式用のクバヤに着替えて12時前にはスカワティへ出発。
本当によき日のようで、タバナンからスカワティに移動する際に道端で結婚式を6件ほど見かけた。


13時から結婚の儀式と聞いていたので、12時半頃にはスカワティに到着。
サルゴ先生のお家に行くのは久しぶりなのでちょっとドキドキ。

「Om Swastiyastu~」
と入り口付近にいたサルゴ先生に声をかける。

「おー、よくきたなー。」
「後で、演奏して行けよ。」
と、サルゴ先生のところへ来るといつもこう言って貰えるので嬉しい。

ご飯を頂いて、13時からのウパチャラまでちょっと時間があるので眠くてぼんやりしていたら、ワヤンの木箱を持った人が目の前を通り過ぎて行った。

ワヤンがあるんだ~

と眠気は一気に吹き飛ぶ。
考えてみれば当たり前。
スカワティのワヤン演奏のトップの家での儀式。
ワヤンが無いはずがない。

しばらくRaditha先生と雑談して待っていたら、サルゴ先生から「こっちに来い」と声がかかった。
いつものグンデルの置いてある場所へと行く。
ワヤンの準備が整うまでまだもうしばらく時間があるからちょっと何曲か演奏という流れに。
メンバーはスカワティの演奏者2名とRaditha先生。
私はKantilで参加。
周りはスカワティのグンデル演奏者だらけで、これは緊張するー

まずはSekar Sungsang。
こんなこともあろうかと、家ではここ1週間スカワティの曲をずっと練習してきていた。
練習しておいてよかったー。
(でもめちゃくちゃ間違えたが)
お次はSekar Ginotan。
こちらもちょっと間違えたけど、本当に前日練習しておいてよかったー、と心底思った。

次はSulendroにする?どうする?誰が演奏する?
何て言ってる間にワヤンの準備が整ったので、ワヤン奏者に場所を譲る。

今回のWayang Lemahのダランさんは前回中国のお寺で観た時と同じチュルックの方。
(お名前が未だに分からない・・・)
奏者もPemade Polosは前回と同様、ナルタ先生の息子さん。
その他3名は初めましてな方。


最初は聞きなれたKrepetanから始まった。
今回のワヤン・ルマは結婚の儀式の間の時間を使ってなので、随分とSingkat(省略)されていた。
最初のPemungkahはなし。
ダランさんが一人でグンデル演奏なしで次々とワヤンをバナナの幹に刺してワヤンをお披露目していき、合図があってワヤンを仕舞うところの伴奏からスタート。
その後はすぐにダランさんがグンデルに合わせて唄う場面、Pengalangakara。
(スカワティでも呼び名は同じなのかな?ちょっと分からない。)

DSC00350_1-01.jpeg


それが終わると奏者はしばし休憩。
ダランさんの語りが続く。
Angkatanも1曲くらいしか入らなかったかな?
かなりのSingkat系。
多分通常のWayang Lemahはもうちょっと伴奏が入って忙しいんだろうけど、トータルしてみるとどうもカユマススタイルの方がもの凄い勢いでAngkatanが入るのでちょっと奏者は忙しいのかな?ってイメージ。(Wayang malamはかなり忙しそうだったけど。)

ワヤン上演の途中で、ナルタ先生のお隣に渋いダンディーなおじさまが登場。
「ダランのウィジャさんだよ。あの2人がバリのダラン界のトップだ。」
と近くにいたスカワティの方が教えてくれた。

おぉ、あの人が有名なダラン・ウィジャさんか~。
Nさんから、素晴らしいワヤンを上演すると聞いていたので、いつか観る機会があるといいなぁ。

ワヤンも終わったし、ラディタ先生がこの後稽古の約束をしているとのことなので、この辺でサルゴ先生に挨拶しておいとま。
私の体力、気力も限界に近づいていたし。


早朝4時にRaditha先生の家に集合して、帰ってきたのは夕方4時。
12時間ノンストップ。
バリ在住6年目だけど、1日でウパチャラ2件をはしごしたのは初めての事。
うーん、バリではタフじゃないとやっていけないなぁ。

こうして忙しすぎた1日は何とか無事に終了したのでした。


後は、全然寝ずに参加っていうのが痛かったなぁ。
結構不眠の気があるので、今度「Shiwa Rudraksha」さんで安眠のルドラクシャを作って貰おうと本気で考え中。


で、この2日後にもウパチャラ演奏が入り(この時のことはまたそのうち書きます)、何と今週にはWayang Malamでの演奏が急遽決まりました。
といっても、前回のWayang Lemahの時のようにフルでの参加ではなくて、Pemungkah~Pengalangakaraまでの参加。
Wayang malamでのAngkatanはまだ流石に無理があるので、今回はそこからは別のメンバーにバトンタッチ。
しかも当たり前だけどKantilでの演奏なので、前回よりもかなり気が楽。

そう、私が参加したかったのはこういう形態なのよ。
いきなりPemade Polosとかは荷が重過ぎてとんでもないプレッシャーだったから。
と言うわけで、初のワヤン・マラム参戦です。
楽しみ



*****




この日の様子をちょっとご紹介。
スカワティのワヤンの曲が全然分からないので、ちょっとおかしなところで切れていたりしますがご了承を。



今回のワヤンはここから。


スカワティのPengalang Ratuかな?


途中からがスカワティのPengalang Penasarだと思われる。





今日の練習曲【Pemungkah続き Kembang Waruバージョン】

2015年 10月10日 10:53 (土)

まずは前回のおさらいBendu Semaraから。
所々テンポや手の使い方の指摘が入るが、短くて簡単な曲なのでまぁ、合格。
後は表現力をつけて、いかに怒り悲しんだ音を表せるか。


で、次は何の曲にする?と聞かれて、ちょっとずつワヤンの曲を習っていくことに。
取りあえず最初の山だった、Wayang Lemah(昼間のワヤン)での演奏は何とか乗り越えたので、後はゆっくり少しずつ進んでいく予定。
Raditha先生は私に対しては、デンパサールで最も一般的(であろう)カユマススタイルのワヤン演奏を教えてくれている。
ただ、私が今所属している、というか習っている場所はBanjar Abian Kapas Kaja、Sanggar Kembang Waruなので、カユマススタイルだけだと、クンバン・ワルスタイルには対応できない。
(Banjarとは町内会を濃くしたような感じ?Sanggarはグループ的な(正確にはアトリエ)?)

相手がRaditha先生だったら何スタイルでもいいのだけど、今後いろいろな人と合わせて、少しでも演奏のチャンスをつかむにはクンバン・ワルスタイルも是非とも身につけておきたいところ。
聞いてみると、クンバン・ワルスタイルは最初のPemungkahはカユマススタイルと同じ。
続くPengrumrumまでのつなぎの部分が結構違う。
後は、Pengalangakaraまではカユマスの応用でいけそうな感じ。
ということで、この日はクンバン・ワルスタイルのPemungkahの繋ぎを習うことに。

まずは久しぶりにRaditha先生とPemungkahを最初から合わせる。
忘れないようにと、家での練習では最低でも1日1回は叩くようにしているのだけど、やっぱり人と合わせるとなるとちょっと感覚が変わってくる。
Pemungkahから続く部分は、何となくカユマススタイルと似ている部分はクリア出来るんだけど、新しいフレーズとなるととたんに手がついていかなくなる。
毎度のことながら、コテカンが入ってくると左手のメロディーが崩れる。
まだまだクリアーしていかなければならない点が山積み。
今後いつ何時ワヤンの演奏が巡ってきたとしても、とっさに対応出来るように日々の練習が大切だなぁ。



_lotusya__2014-11-13_16-05-47.jpg




忙しすぎた1日 ~前半・タバナンでのポトンギギ演奏編~

2015年 10月07日 17:57 (水)

クニンガンが明けて35日後からはバリでは縁起のよい日が続き、この期間はオダランやウパチャラが集中する。
なので10月はウパチャラも増えて演奏の機会も少し増えるかな~なんて楽しみにしていたのだけど、この日は本当にバリヒンドゥーにとってよき日だったんだと思う。

ちょうどこの日はスカワティの巨匠、サルゴ先生の息子さんの結婚式があるということで外すことは出来ないと思い、結婚式の予定が直前まで分からなかった為、仕事は1日お休みを貰っていた。
ラディタ先生と前日に、「結婚式何時から~?」と打ち合わせをしていた時に、「実はその日は朝からタバナンで演奏の予定があるから、お昼からしか行けないんだけど大丈夫?」
「1日お休みだから大丈夫―。」何て感じでメールのやり取りをしていたのだけど、

「このウパチャラ演奏、実はLotusyaも誘いたかったんだけど、なんせ朝がめちゃくちゃ早くて・・・」
「早いって何時から?」
「えーと、朝4時。」

それは・・・早過ぎるなぁー。
でもせっかく1日お休みを貰っているし、どうせなら参加したいなぁ。
と、前日だったけどダメもとで参加してみたいと伝えたところ、OKがもらえた。

朝は早いけど、実はタバナンってあまり行く機会がなくてちょっと楽しみでもあった。
しかもウパチャラはポトンギギ(歯削りの儀式)とのことで、デンパサールでのポトンギギしか参加したことのなかった私は、別の地域でのポトンギギにも興味津々。

メールで約束をしたその日はちょうど夕方から練習の日で、練習が終わってご飯食べてシャワー浴びて早起きの為に夜の10時には布団に入ったのだが・・・

全然眠れない・・・!!!

3時には起きて支度しなきゃなんだけど、ウパチャラでの演奏がワクワクなのと、寝過ごしちゃまずいというプレッシャーから、眠りたくても眠れない・・・
結局時間が経つにつれて焦りが募り、さらに眠れなくなるという悪循環に陥り一睡も出来ないまま3時を迎えてしまった・・・

まぁ、ウパチャラでの演奏ということもありアドレナリンが放出されているからか、寝ていない割には元気だったのでそのまま支度して4時前には家を出る。
心配していた犬に襲われることも無く(バリ犬は夜になると豹変して猛獣となる)、午前3時代ってまだ夜中と一緒だよな~、と思っていたけど思っていたよりも道は街灯や看板の光で明るく、無事にRaditha先生の家までたどり着いた。

メンバーはRaditha先生とRaditha先生のお兄さん(2番目かな?)とサヌールのおじさま。
(Raditha先生のお兄さんはコーディネータ。演奏は2人。)
しばしサヌールのおじさまを待ち、4時過ぎにはデンパサールを出発。
全然寝ていなかった私はちょっとでも車の中で眠れればいいなぁ、なんて思っていたけど、車の中はムーディーなバリの演歌の様な音楽がかかっており、私を除く3人はずーっとバリ語で話しまくりでとても寝れる雰囲気ではない
まぁ、運転手しているお兄さんが眠くならないようにの配慮ですね。

で、5時半にタバナンに着いた頃にはかなりグロッキーになっていた私。
でもまぁ、ウパチャラ会場の神聖な雰囲気に眠気もちょっと吹き飛ぶ。

デンパサールだと8時か9時頃に始まるこのポトンギギ。
なぜタバナンでのポトンギギはこんなに早朝から始まるのかというと、やはり田舎なので都会に比べてまだまだブラックマジックが本気で信じられている為。
以前にも書いたが、ポトンギギの儀式ではマンクーさんがポトンギギを受ける人に対して死者に対するマントラを唱え、一旦それまでの魂を死んだものとし、犬歯を削り理性を抑えられる人間として蘇らせるという方法をとる。
なので無防備になる魂は、ブラックマジックを習得しようとしている人にはブラックマジックをかける為の格好の練習台となるのである。(言葉は悪いが)

バリでは田舎に行けば行くほど、このブラックマジックが未だ盛んに行われており、人々はそれを恐れている。
なので、出来るだけ周囲にポトンギギであることが分からないように、肝心のマントラを唱える際は出来るだけ早朝に行ってしまうのが通常。
ブラックマジックで有名なカランアッサムなんかは、早朝の3時頃から儀式を始めるのだそう。

同じバリでも処違えば風習もかなり違ってくる。
ポトンギギのベッドが置いてあるバレは綺麗に飾りつけがされ、屋根からは繁栄を願って果物があちらこちらに吊り下げられている。(ちょっとかわいい)

私たちは会場に一番乗りだったんだけど、その後続々と儀式関係者がやってきて本当に6時頃から儀式が始まった。(本当にそんなに早く始まるのかな~、とちょっと半信半疑だった。)

演奏は元々決まっていたRaditha先生とサヌールのおじさま。
私は後から無理やり付いてきた身なので、途中でちょこっと演奏を変わってもらう。
今回のポトンギギの人数は8人なので時間はたんまりとある。
サヌールのおじさまの演奏をじっくりと聞くのは初めてだったんだけど、リズムが凄く安定していて聞いていてとても落ち着ける演奏。
知っている曲ばかりなので耳に心地よく響く。

DSC00314.jpg
まずはこれから神様に演奏を捧げる為に、お供え物をしてお祈り

DSC00316.jpg
こちらがグンデルへのお供え物

DSC00325.jpg
朝から爽やかに演奏


私は途中からMerak Ngelo、Candi Rubah、Sekar Ginotan Sukawati、Alas Arum、Penyacah Parwaと演奏。
グンデルはRaditha先生のお兄さんのグンデルなんだけど、凄くいい音。
毎回そうなんだけど、初めて演奏するグンデルの場合は音の出るくせをつかむまではちょっと時間が必要。Merak Ngeloが終わる頃にはなんとなくこのグンデルの音の出方が分かってきた。
その後はまたサヌールのおじさまに演奏を代わって、音楽を聴く振りをしてちょっと目を瞑って休憩。

8人のポトンギギが終わったのは9時過ぎだったから、2時間半近く。全部で20曲近くの演奏になったんじゃないかと思う。
驚いたのはキドゥンチーム。
今回はおじさま、おばさま5~6人くらいのキドゥン(バリの長唄のようなもの)チームも一緒だったんだけど、その2時間半の間殆ど休むことなく唄いっぱなし。デンパサールから来ていたので私たちと出発した時間は同じくらい。そんな早朝から2時間以上時間も声を出し続けられることに驚愕。バリ人は本当に凄い。

タバナンでのポトンギギは、デンパサールに比べてコスチュームなんかもちょっと違った。
デンパサールでのポトンギギは、日本の成人式の様な感じでとにかく子供の晴れの舞台をお祝いする感が強い。高級なソンケットと呼ばれる布をまとい、頭には男性も女性も金の花をあしらう。
一方、タバナンなどの地域ではポトンギギはまだまだ神聖な儀式という意味合いが強い。
衣装は男性は上半身は白いタンクトップ、下半身は白と黄色の布を巻いただけ。女性はちょっと華やかだが、基本は白と黄色の布。

PicsArt_10-07-044135.jpg
いい笑顔をくれたんだけど、一応顔は伏せときます

また、無事に歯を削った後には、それぞれが手にお金やティパットと呼ばれる蒸したもち米の入った容器を持ち、マンクーさんに少し髪の毛を切って貰う。これは初めて見た。(Raditha先生にも聞いてみたら、Raditha先生も初めて見たって。)この一連はデンパサールでは赤ちゃんの3ヶ月を祝うティガブラナンやバリヒンドゥーの誕生祭のオトナンの儀式なんかで行われたりする。やっぱり処違えば、である。
これがメインの儀式の最後になるので、私はSudamalaを演奏させてもらった。半分意識は朦朧としていたけど、清清しい気持ち。

タバナンなどでは、デンパサールやギャニャールなんかと違って、一般家庭で外国人を見るのはまだまだまれなこと。時折私の存在に戸惑っている人もいたけど、殆どの人はめちゃくちゃウェルカムな状態。こんな大切な儀式に、外国人が関わることを快く許してくれているバリの人々の心の広さには本当に毎回感謝なのである。

帰りの車の中ではさすがに起きているのは無理で、1時間程眠らせて貰った。
タバナンの風景をちょっと楽しみにしていたのだけど、その殆どを見ることが出来なかったー。
残念。





~忙しすぎた1日、後半へつづく~